が、金剛型のラスト、ネームシップの金剛が中々出ない。建造しても金剛の代わりに伊勢が出たり、2-2マラソンをしたら榛名や千歳や那智がぽろぽろぽろぽろ出るのに金剛は出てこない…と、見事に確率の悪魔に翻弄されております。金剛が出ないと第4艦隊が開放できないので資源の面で地味につらいのですが、これが中々うまくいかないようで。
おまけに昨日のメンテで、新たに「『第四戦隊』を編成せよ!」なんてクエストが追加されまして、条件になっている高雄型4隻の内、愛宕・鳥海・摩耶はそろっているどころかバリバリに主力になっているんですが、こちらも高雄だけがどうがんばっても出てこない! 確か各型のネームシップはレアリティが高めだったはずで、この出なさっぷりはそのせいだとは思うんですが…どうにかなりませんかね、なりませんね。
-----
「提督、お茶をどうぞ」
「ん、ありがと」
出撃の傍ら、溜まっていた書類の決裁をこなすたもんくんにお茶を差し出したのは、この日秘書を務める千歳だ。飛行甲板を備えて、軽空母へ転換を果たしてからは、艦隊の主力として、南西諸島海域へたびたび出陣するようになっていた。
「次もバシー島沖ですか?」
「うん、しばらくはあそこを攻めることになるだろうね。沖ノ島の攻略をにらんでも、バシーの艦隊を沈黙させておく必要がある。ところで……」
「どうされましたか?」
「いや、そっち、なんでいるのかなと……?」
と、たもんくんが指した先になぜかいるのは、千歳の妹の千代田。今日は非番のはずなのだが、なぜかさっきから執務室の端に立っている。と、
「提督!」
「何?」
タイミングを見計らっていたのか、ずずっとたもんくんの机へ駆け寄ってきて、
「私も千歳お姉みたいに、飛行甲板が欲しい!」
びしっ、と千歳を指差しながらたもんくんに詰め寄った。
「ちょっと、千代田ったら」
「てか、甲標的あるじゃん千代田は」
「だって、雷撃するタイミングってあんまりないし、それに甲標的は命中精度あんまり良くないし、やっぱ千歳お姉みたいに飛行機積みたいよ!」
千代田にはすでに甲標的母艦の機能が付与され、水上機母艦兼甲標的母艦になっていたのだが、千代田の言うとおり最近は航空機の攻撃と艦砲射撃で勝負が決まってしまう上に、いざ雷撃となっても甲標的はその性質上命中精度が悪く、あまり役に立ったためしがないのだ。
「まー、気持ちはわかるし、千代田が空母になってくれると戦力としてありがたいのは確かだけどね」
「それじゃあ!」
「でも、すぐには飛行甲板付けてあげられないよ? 出撃数とか撃沈数とかいろいろ条件があってね。しばらくがんばって出撃して、経験をつまないといけないけど……」
と、たもんくんは天井を見上げて少し考えていたが、
「そうだな、あれをやれば行けるな……、うん、じゃあいっちょやるか、出撃準備して」
「やった!」
と何かを思いついたように、千代田に告げた。
「千歳、悪いけど旗艦を千代田と交代して。で、早速バシー沖に出るから他の子たちを呼んできて」
「分かりました、えっと、扶桑先輩と山城先輩、五月雨ちゃんと加古さんですよね?」
「うん、そんな感じでよろしく」
「え、私が旗艦!? いいの!?」
「おう、ま、頑張ってな」
「やったー!」
と無邪気に喜ぶ千代田だったが、たもんくんがニヤリ、とでも形容できそうな表情をしているのと、千歳が心配そうに千代田のことを見ているのにはまったく気づかないのだった。
「て、提督……」
「何?」
「えっと、まだ続けるんですか?」
バシー島沖への7度目の出撃から帰ってきて、鎮守府へと戻ってきた千代田は、疲れのせいかぜえぜえと荒い息を吐いていた。旗艦ということで集中的に狙われてしまい、被害レベルも中破と言っていいくらいにまで達していた。普通ならドックへ入って治療と休養になるのだが、
「出撃こなしたいんでしょ? さ、これ食べて次いくよ次!」
たもんくんは被害も意に介さず有無も言わさず、という感じで、補給品入りのバケツを千代田に渡した。
一方他の面々はほとんど無傷で戻ってきたのだが、
「後部砲塔をやられたくまー……」
球磨は運悪く、敵艦載機の攻撃を受けて少し傷を負っていた。だがこちらには
「球磨はそろそろ厳しいか、んじゃドック手配しとくからちょっと休んでな」
「わかったくまー……」
「あー、代わりに多摩連れて行くから、こっちに来るように声かけといてな」
と、千代田とは打って変わってあっさりドック入りを指示した。
「あ、あの、提督?」
「何?」
「私も、結構攻撃食らって、これ以上食らっちゃうと沈んじゃうかもしれないんだけど」
「知ってる? 旗艦マーク付けてると沈まないんだよ? だからいくら攻撃食らっても大丈夫!」
「ちょっと、そんなひどい……」
「飛行甲板欲しいんでしょ?」
「う……」
旗艦はその効果により、いくら攻撃を食らっても沈まない、だから育てたい娘を旗艦にして連続出撃させればあっという間に経験を積むことが出来る、というのが、たもんくんが思いついた育成方法だった。
「あとそうな、15回くらい出撃したら規定回数に達するから、それまで頑張ろうね」
「そんなぁ……」
頑張ろうね、と言った時のたもんくんの笑みは、あれは確かに悪魔の笑みだった……と、後に千歳は千代田から聞かされたとか聞かされなかったとか。
「提督、今度は多摩が出撃するにゃ?」
「おー来た来た、そうそう、バシー島沖いくよ」
「了解にゃ!」
「はい、じゃあ一休みしたし、次の出撃いくよー」
『はーい』
「ふえぇ……」
-----
という感じで、先行して軽空母になっていた千歳に続いて、千代田もLv15に達して軽空母になりました。
SSに書いたとおり「旗艦は沈まない」というのを利用して、2-2マラソンの旗艦に据えて周りを戦艦・重巡・軽巡で固め、千代田だけは被弾しようが大破しようが疲労がMAXになろうが出ずっぱりで出撃させる、という感じでレベル上げをやったわけです。いやー、鬼畜ですな冷静に見ると。
あと、「甲標的は命中精度が悪い」というのは史実でのお話で、ゲーム内では普通に雷装+12の効果が出ている、はずです。ただどちらにせよ雷撃は一通り砲撃&航空攻撃が終わった後でないと行われないので、艦載機や艦砲に比べて見劣りしてしまうのは事実です。雷撃も同時に行ってくれるようにしてくれませんかねぇ…、敵も同じようにやっていただいてかまわないので。そうすると駆逐艦のお嬢様方の価値ももっと上がると思うのですが。